首相・閣僚による靖国神社公式参拝中止要請のこと

私たち真宗教団連合は、昭和44(1969)年に「靖国神社法案」に対し廃案要請を行って以来、今日に至るまで「首相・閣僚による靖国神社公式参拝中止要請」を行ってまいりました。

それは、申すまでもなく靖国神社が明治政府の国家神道のもとで創設され、国家の目的遂行のためである戦争を正当化するとともに、戦没者を英霊として祀ることにより国家の国民に対する戦争責任を回避する機能を果たしてきた特異な一宗教施設であることによります。

その宗教施設に、首相・閣僚等の公職にある者が参拝することは、日本国憲法に定められた「信教の自由・政教分離」に抵触することは言を俟ちません。

私たち真宗教団も、先の大戦において釈尊や宗祖親鸞聖人の教えに背き、軍国主義化の中で、国策としての戦争や国体護持に協力してまいりました。

私たちは、そのような罪責の歴史を深く慚愧し、戦争で亡くなられた全ての人々に対して深く哀悼の意を表すとともに、二度と同じ過ちを繰り返さぬよう、宗祖親鸞聖人の願われた「世の中安穏なれ、仏法ひろまれ」とのみ教えを体し、非戦・平和の願いを新たにするものであります。

そして、釈尊の「兵戈無用(ひょうがむよう)」という軍隊も武器も用いることのない平和な社会の実現に向け、今後も様々な取り組みを進めてまいりたいと存じます。

以上のことから、貴職におかれましては、靖国神社のもつ問題性を十分に認識され、憲法の精神に背く違憲行為であります公式参拝を中止されますよう要請いたします。

平成19(2007)年8月7日

真宗教団連合    
浄土真宗本願寺派 総長 不二川公勝
真宗大谷派 宗務総長 熊谷 宗惠
真宗高田派 宗務総長 青木 眞曉
真宗佛光寺派 宗務総長 大谷 義博
真宗興正派 宗務総長 藤井 浄行
真宗木辺派 宗務長 安田 義樹
真宗出雲路派 宗務長 平  弦月
真宗誠照寺派 宗務長 櫻井 徳良
真宗三門徒派 宗務長 黒田 昌英
真宗山元派 宗務長 佛木 道宗

内閣総理大臣
安倍 晋三 殿

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