靖国神社法案に関する要請

去る五月二十五日靖国神社法案が自由民主党の単独審議の形で、衆議院を通過したことは誠に遺憾であり、真宗教団連合は、この法案を今後速に廃案とされるよう要請します。

理由

一、

宗教は人間の至奥より発する欲求であり、他の目的の為の手段となるものではありません。故に信教の自由は人格の尊厳を確保する根本条件であります。

一、

亡き人を偲び儀式を行うことは、全く宗教行為であり、現に靖国神社は宗教法人であります。

然るに同法案が、解釈規定によって靖国神社は宗教に非ずとすること自体が強弁であり、国家権力を以って宗教法人としたり、特殊法人としたりすることは憲法の保障する信教の自由を侵すものであります。

一、

靖国神社を特殊法人として、神社の名を冠したまま国家護持を行うことは、国民感情の名においてする道徳と宗教の混同であり、曽て「神社は宗教に非ず」として国家神道を以って超宗教とし、宗教の上に位置づけ、礼拝を強制し、思想統制を行った顰みに倣うものであります。

一、

若し、国において、徒に戦争を美化することなく、痛みを以って、戦没者全般に対して、永遠に哀悼の意を表するのであれば、その施設は国民のすべてが、それぞれの信仰・信条に従って、厳粛に礼拝できるような性格のものとすべきであります。

昭和四十九年五月二十八日

真宗教団連合    
浄土真宗本願寺派 総長 神田 寛雄
真宗大谷派 宗務総長 嶺藤  亮
真宗高田派 宗務総長 服部 恭寿
真宗仏光寺派 宗務総長 渚  憲雄
真宗興正派 宗務総長 高橋 香苗
真宗木辺派 宗務長 浅井 自香
真宗出雲路派 宗務長 菅原 茂俊
真宗誠照寺派 宗務長 波多野暁浄
真宗三門徒派 宗務長 阪本 祖温
真宗山元派 宗務長 仏木 道範

◎ホームページ用に体裁を変更しております。